アクアリウムの2つの硬度について

GH・KHの基礎説明とよくある誤解

アクアリウムにおけるGH/THとKH/CHについて

1. アクアリウムにおける2つの硬度 
アクアリウムで使われる「硬度」には、
**GH/TH(総硬度)とKH/CH(炭酸塩硬度)**という、性質の異なる二つの指標が存在する。
この二つは同じ「硬度」という言葉で呼ばれるが、測定対象も役割も全く異なる。

2. GH/TH 総硬度
総硬度とは、水中に含まれる
カルシウムイオン(Ca²⁺)およびマグネシウムイオン(Mg²⁺)水中にある2価の陽イオン
の量を合算した指標である。
これは水中の「ミネラルに属する物質」を示す値である。

3. KH/CH 炭酸塩硬度
炭酸塩硬度とは、水中の炭酸水素イオン(HCO₃⁻) および炭酸イオン(CO₃²⁻)
の量を示す指標である。
アクアリウムにおいて炭酸塩硬度を考える時は、魚に対してか水草やサンゴ類に対してかを分けて考えると良い。
炭酸塩硬度の高い水は、その水の特性として弱アルカリ性からアルカリ性になる。
これは言いかえればKHが測定させる水はpHが弱アルカリ性以上に安定する。
KH2°dhで弱酸性という水は通常は存在しない。
更に細かい話は炭酸塩硬度=炭酸水素イオン濃度にて
アクアリウム実務で話すと
魚を中心の水槽ならば、魚を飼育する水槽設備でpHを弱酸性にしたいときは、まずKHを0.5°dh以下にする必要がある。pHを下げたい環境ならばKHは低ければ低い方が都合が良い。
次に水草やサンゴの育成を行いたい水槽ならば、炭酸水素イオン内にはC(炭素)が入っている。これは水草やサンゴにとっての食べ物にあるためある程度水中には必要な物質である。

4. GHとKHの役割の違い
GHとKHは以下のように整理できる。
GH:カルシウムやマグネシウムなどの総総量
KH:炭酸水素イオンや炭酸イオンなどの総量
両者は独立した指標であり、数値が連動する保証はない。

よくある誤解
誤解1:GHとKHは同じ硬度なので連動する
GHとKHは測定している物質が異なるため、連動しない。
GHだけが高い水、KHだけが高い水は普通に存在する。
経験上美味しい水や良い水だと言われる水は、GH≒KHになりやすい。通常の自然水はGH≧KHで測定される

誤解2:弱酸性pHでKH3°dhの水が良い
KHが1°dh以上あれば自然下(常温常圧)ではその水のpHは7以上になる。弱酸性状態のKHはほぼ0である。

誤解3:KHが高いとpHも高くなってしまうからKHは低いほうが良い
単純に弱酸性の水が欲しいならば正しいが、水草を育てたいならば正しくはない、二酸化炭素添加状態であればKHの有無は関係ないのかもしれない。この二酸化炭素添加こそがKH3°dhで弱酸水質をつくる飼育方法であり、pHをコントロールできるアクアリウム用の機材が二酸化炭素装置だと思うと良い

誤解4:水草水槽ではGHKHは低い方が良い
Ca・Mgは水草の必須栄養素である、KHも水草にとっての炭素源である。伝統的には綺麗な水草水槽は各数値は低い方がよい結果が出ているがなぜかなどは分かっていることや合意の取れていることは少ない。
RO水主体や軟水化ろ材を使った水槽で水草の調子が悪い場合は、GHKH不足が原因となっている可能性もある。

誤解5:日本の水道水は軟水だから硬度管理は不要
日本の水道水は低KH(大抵2以下)傾向だが、地域差が大きく、GH(関東なら5°dhも珍しくない)が高いケースも多い。
まずは自分の使う水を測定してみるとよい

誤解6:pHが安定しているからKHも問題ない
KHである炭酸水素イオンは硝化作用や有機酸の蓄積によって消費変動する。
そもそもpHを気にするならばpHを測るのが本筋だろう、pHモニターを付けるととても良い

まとめ
アクアリウムで水質について話す時にGHとKHを混同したりあまり理解出来ていない状態で話し説明されていることがアクアリウムが意味の分からないものとなる最大の誤解であろう。
総硬度と炭酸塩硬度(炭酸水素イオン濃度)この二つは違うものなのだと考え、目的別に管理することがアクアリウム運用の基礎となる。

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