物質が水に溶けるとは

物質が水に「溶ける」とは、その物質が水中で非常に小さな粒子として均一に分散することを指す。見えなくなることが本質ではなく、分子あるいはイオンの大きさまで細かくなって水の中に散らばっている(拡散)状態が溶解である。

物質の溶解と電離
溶解の例として、まず砂糖がある。砂糖は水に溶けると甘くなるが、電気はほとんど通さない。これは砂糖が水中でイオンに分かれず、分子のまま存在しているためである。同様に、エタノール(アルコール)も水とよく混ざるが電離はせず、電気を通さない。これらは「溶けるが電離しない物質」である。

アクアリウムでは主に有機物がここに属していて、これらの電離しない物質がどれだけ水槽の水に溶けていてもTDSメーターで測定されることはなく測定値に影響しない。

一方、電離とは、溶けた物質が水中で正と負の電気を帯びた粒子、すなわちイオンに分かれる現象を指す。代表例が食塩(塩化ナトリウム)である。食塩は水に溶けると、ナトリウムイオン(Na⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)に分かれる。このようにイオンが自由に動けるため、水溶液は電気を通す。
アクアリウムにおいては他にも硝酸塩全般、炭酸カリウムなど

この違いは物質の性質に由来する。食塩のような物質は、もともと正負のイオンが集まってできた「イオン結晶」であり、水に入ると水分子の働きによってイオン同士が引き離される。一方、砂糖のような物質は分子からできており、水に溶けても分子が壊れず、そのまま分散するだけである。
重要なのは、「溶解」と「電離」は別の現象だという点である。水に溶けても電離しない物質は存在するし、逆に溶けにくいが、溶けた分は電離する物質もある。例えば炭酸カルシウムは水にほとんど溶けないが、わずかに溶けた分はカルシウムイオンと炭酸イオンに電離して存在する。(溶解度)
この違いや組み合わせを知ってイメージできるとアクアリウムに対する理解がより深まる

まとめると、溶解とは水中に均一に分散すること、電離とはその後にイオンに分かれることである。すべての物質が電離するわけではなく、分子のまま溶けるものと、イオンとして溶けるものがある。この違いが、水が電気を通すかどうか、そして後に出てくるpHや水質の話の基礎になる。

水に物質が溶けると言うことを考え深めていくことがアクアリウムにおいて水質を考える時の大切な柱となる。

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