水槽の透明度と水質の良し悪しは必ずしも関係はなくそれよりも個別の問題であると考えるのが適切である。
その理由は、アクアリウムで測定している水質項目は無機イオンなので、水の透明度や水が澄んでいるなど人が綺麗だと感じる状態と完全にリンクするわけではない。
アクアリウムで一般的に測定している水質項目(アンモニア、亜硝酸、硝酸、リン酸、各種無機イオン、pH など)は、生体に対する化学的・生理的安全性を評価する指標であって、人が視覚的に「綺麗」「澄んでいる」と感じる状態と完全に一致するものではありません。
理由を整理すると、主に次の点があります。
測定対象が「無機イオン中心」であること
水質試薬で測っているのは溶存している無機成分がほとんどです。一方、水の透明感や清潔感に影響するのは、
微細な有機物
バクテリアやプランクトン
コロイド状の粒子
といった数値化しにくい要素が大きな割合を占めています。
これらは測定した時に数値上「問題なし」でも視覚的な濁りを生むことがあります。
「安全な水」と「美しく見える水」は評価軸が異なる
例えば、硝酸塩が低く生体にとって理想的でも、バクテリアブルームが起きれば水は白濁します。
逆に、見た目は非常に澄んでいても、透明なまま硝酸塩が高濃度に蓄積しているケースもあります。大体の無機塩類は水に溶ければ無色透明度、アクアリウムの水質濃度程度ならなおのこと。高濃度のアンモニア水も透明だし希塩酸塩酸の液体も透明だ、しかしその液体は生物には当然適さない。
つまり、
水質測定=あくまでも測定する物質を測っているだけで、化学的な指標と考えるのがよく
透明度・澄み具合=光学的・感覚的指標
という別次元の評価なのです。
人の「綺麗」という感覚は主観的で複合的
人が水を綺麗だと感じるかどうかは、透明度だけでなく、色味(黄ばみ、青み)、水面の反射、レイアウトや照明との相互作用などにも左右されます。これらは水質試験では捉えられません。
このため、「水質が良い=見た目も綺麗」「見た目が綺麗=水質も良い」と単純に結びつけるのは危険です。
アクアリウム管理では、数値による客観評価(無機イオン)と、見た目や生体の挙動といった感覚的・観察的評価を併用することが重要だと言えます。
どちらかが大切ではなく水槽をうまく管理をする上ではどれも意味のあることである。その意味をうまくとらえられるかがアクアリウムをうまくできるかにも影響する。